【冷えが腰痛を悪化させる理由】筋膜×血流の視点からやさしく解説

院長のおおやです。気温がぐっと下がってきて、朝の空気がひんやりする季節になりましたね。横浜・中区も今日は澄んだ青空でしたが、日陰に入るとやっぱり冬の気配が感じられる一日でした。
この時期になると増えてくるのが、
「腰が重だるい…」
「朝起きた瞬間から腰がつらい」
「座っていると腰が冷えて痛くなる」
というお悩み。仕事と家のこと、育児まで全部こなしている女性にとって、腰の痛みは“じわじわ体力を奪う存在”ですよね。
今日は、冬に腰痛が悪化しやすい理由 を “筋膜” と “血流” の視点から、できるだけわかりやすくまとめてみました。
さらに、 すぐ取り入れられる温めポイント や、施術後におすすめしている お腹・お尻まわりの簡単ホームケア も紹介します。寒い季節を元気に過ごすヒントになれば嬉しいです。
■ 冬に腰痛が増えるのはなぜ?まずはメカニズムから解説
冬になると腰痛を訴える方がぐっと増えますが、その理由は大きく分けて3つあります。
● ① 冷えで血流が低下し、筋肉が硬くなる
気温が下がると、体は熱を逃がさないように血管をギュッと縮めます。その結果、筋肉に流れる血液量が減り、酸素が届きにくくなります。
筋肉は冷えると硬くなり、軽い動きでも負担を感じやすくなります。特に腰は体の中心にあり、負担を逃がしにくい場所。冷えて硬くなった筋肉を支えながら動くことで、痛みが起こりやすくなるんです。
● ② 姿勢が丸くなる → 腰まわりの筋膜が引っ張られる
寒いとどうしても身体が前のめりになり、背中が丸まりやすくなります。
・猫背になる
・肩がすくむ
・骨盤が後傾する
こうした姿勢は、腰まわりの筋膜を“常に引っ張る状態”にします。筋膜の緊張が続くと、その下にある筋肉も緩みにくくなり、慢性的な腰痛の原因に。
● ③ 深部の冷えで内臓が固まり、腰の奥が重くなる
冬はお腹まわりが冷えやすい季節。お腹(内臓)が冷えると、その後ろにある腰の奥の筋肉(大腰筋など)も影響を受けます。
・腰の奥がズーンと重い
・動き出しに痛みが出る
・長く座ると腰が固まる
といった症状は、深部の冷えが関係している場合が多いです。
■ 筋膜と血流の関係:腰痛が“冬に悪化”しやすい理由
ここからは、もう少し専門的な視点から腰痛と冷えの関係をみていきます。
● 筋膜の緊張は痛みを増幅させる
筋膜とは、筋肉を包んでいる薄い膜のこと。全身つながっているため、ひとつのエリアが硬くなると、周囲の筋肉にも緊張が伝わります。
冬の冷えで太ももやお尻の筋膜が固まると、その引っ張りが腰にまで及び、腰の筋肉が常に縮こまった状態になりやすいのです。
さらに、筋膜は全身を覆ってつながっているため、太ももやお尻の硬さは単に腰だけでなく、骨盤の動きや姿勢全体にも影響を与えます。
硬くなった筋膜がじわじわと張力を生み、その負担が腰へと連動することで、ちょっとした動きでも腰に違和感を感じやすくなったり、長時間同じ姿勢でいると急に痛みが強くなったりすることもあります。
また、筋膜がこわばった状態が続くと血流も悪くなり、老廃物が溜まりやすくなるため、痛みの増幅につながってしまうのです。
寒さが厳しい冬ほど、この筋膜の“引っ張られ負担”が顕著に現れやすく、腰の重さや痛みに直結する大きな要因になります。
● 血流が悪いと“痛み物質”が逃げにくい
血流が落ちると、痛み物質(老廃物)がその場に溜まりやすくなり、痛みを強く感じます。
逆に、血流が良くなると痛みが和らぎやすくなります。
さらに、血液は筋肉に酸素と栄養を運ぶ役割もあるため、流れが悪い状態が続くと筋肉そのものの疲労回復が遅れ、コリや重だるさが慢性化しやすくなります。
特に冬場は体温が下がりやすく、血管が収縮してしまうためこの影響が強く出やすく、”冷えて動き始めがつらい” “じっとしていると余計に痛む” と感じる方も増えます。
冬の腰痛は、まさにこの「血流の低下」が大きなポイント。
痛みをやわらげるには、流れをよくすることが欠かせませんし、血流が戻ることで筋膜の柔軟性も回復しやすく、腰全体が軽く感じられるようになります。
● 深部の緊張は自分ではほぐしにくい
腰の奥深くにある大腰筋は、姿勢維持に関わる重要な筋肉。ここが緊張すると、腰が反り気味になるだけでなく、歩くたびに腰に響くようなつらさが出たり、朝いちばんのこわばりがなかなか抜けなかったりします。
また、大腰筋が硬い状態は骨盤の角度にも影響し、姿勢が安定しにくくなり、結果として腰以外の部位—太ももやお尻など—にも余計な負担が広がってしまうことがあります。
深部にあるため自分では触れにくく、セルフケアではなかなかアプローチしづらい場所ですが、整体でしっかりゆるめることで全身の軽さや動きやすさにつながりやすい、非常に重要なポイントです。
■ 当院の施術:腰痛を“芯から軽く”するために行っていること
もとまち整体院では、タオル越しのやさしいトリガーポイント療法で、腰の筋肉だけでなく、関連する太もも・お尻・お腹の奥までゆるめていきます。
● ① お尻・太ももの外側のポイントをゆるめて骨盤の動きをスムーズに
冷えで固まりやすい“お尻の深部”や“太もも外側”には、腰痛と深く関わるトリガーポイントが多くあります。
これらの部分が硬くなると、骨盤まわりの動きがガチッと制限されてしまい、腰の筋肉に余計な負担がかかりやすくなります。
特にお尻の深層筋は、骨盤の傾きや歩行時のバランスに大きく関わるため、ここが緊張しているだけで腰まわり全体が動きにくくなったり、無意識に踏ん張るクセがついて疲れやすくなることもあります。
また太もも外側は、座り姿勢が続くとすぐに張りやすく、骨盤を外側へ引っ張るような力が働くため、腰の歪みにもつながりやすい部位です。
ここがゆるむと、骨盤まわりの動きがスムーズになり、腰への負担がグッと減ります。
さらに、歩きやすくなったり、立ち上がりの動作が軽くなったり、腰だけでなく脚のだるさが抜けやすくなるなど、全身に良い変化が広がっていくのを感じる方も多い部分です。
● ② お腹側(深部筋)へやさしくアプローチして腰の奥の重さを軽減
大腰筋を含むお腹側の深部筋は、腰の動きや姿勢に大きく関係しています。
タオル越しに深部をじんわりゆるめることで、
・腰の奥の重だるさが軽くなる
・動き始めの痛みが減る
・呼吸がしやすくなる
といった変化が出やすいです。
● ③ 腰の表層の筋肉の緊張を取りながら全体のバランスを調整
腰の表面の筋肉がガチガチだと、深部の筋肉が動きづらくなります。
特に冬は冷えの影響で表層の筋肉がキュッと縮こまりやすく、その状態が続くと奥にある深層筋まで十分に動けなくなり、結果として腰全体が固まったような感覚につながってしまいます。
表層〜深層をバランスよくゆるめることで、筋肉同士が連動して動きやすくなり、痛みが出にくい状態へ整えていきます。
さらに、深部が動けるようになると血流も改善しやすく、体の芯がポカポカしてくるような温かさを感じる方も多いです。
「なんだか腰が軽い…」「朝がラクになった」
「座っていてもつらくなりにくい気がする」
そんな声を多くいただく施術法です。
■ 施術後にもできる!“腰痛をぶり返さない”ためのホームケア
施術で腰まわりがゆるんだ後は、日常のケアをプラスすると改善スピードがぐっと上がります。特に効果が出やすいのが、お腹とお尻を温めること。
● ① お腹を温めると腰の奥がゆるみやすい
お腹と腰は、前後でつながる関係。お腹側が温まると、後ろ側の深部(大腰筋)までじんわり緩みやすくなります。
おすすめ方法:
・電子レンジで温めた湯たんぽをお腹にのせる
・入浴時にお腹の下側にシャワーを当てる
・腹巻きを一枚プラスする
どれも手軽ですが、深部の冷えにとても効果的です。
● ② お尻を温めると骨盤の動きがスムーズに
お尻が冷えていると骨盤の動きが硬くなり、結果として腰に負担がかかります。
おすすめ方法:
・座るときにブランケットを敷く
・お風呂上がりにドライヤーの温風をお尻に軽く当てる
・ホッカイロを貼るときは“仙骨の少し上”に
特に仙骨周りは冷えやすいので、ここを温めるだけで腰がラクになる方がとても多いです。
● ③ 寝る前に深呼吸を3回するだけでも効果大
深呼吸で副交感神経が働くと筋肉の緊張がゆるみやすくなります。忙しい毎日でも取り入れやすい“ながらケア”です。
■ まとめ:冬の腰痛は「冷え」と「筋膜」のダブルケアが鍵
冬に腰痛が悪化しやすいのは、
・冷えによる血流低下
・筋膜の緊張による動きの制限
・深部筋(大腰筋など)のこわばり
といった要素が重なるためです。
特に忙しい毎日の中では、自分の体の変化に気づきにくいこともありますが、「最近腰が重いな」「起き上がるのがつらいな」と感じたときは、体からのサインを見逃さないことがとても大切です。
冷えて硬くなった筋肉や筋膜は、そのままにしておくとますます緊張し、痛みが強まりやすくなります。
逆に、腰だけでなくお尻や太もも、お腹など関連部分を一緒にゆるめることで、全身が軽くなりやすく、血流も回復してポカポカ感が戻ってきます。
そして、日常のちょっとしたケア――お腹やお尻を温める、深呼吸をする、座る姿勢を整えるなど――をプラスすることで、腰痛のぶり返し予防にもつながります。
寒い季節はどうしても体がこわばりやすいですが、少しずつ整えていくことで冬も快適に過ごせる体づくりは可能です。腰のつらさが気になるときは、一度ご相談くださいね。
あなたの体に合ったケアで、無理なく続けられるサポートをさせていただきます。
※施術効果には個人差があります。
※画像はイメージです。








