「手術を勧められたけど、どうしても踏み切れなくて」 その選択は、間違っていなかった

① 「先生、手術しかないですか?」と聞いたとき、何と言われましたか
院長のおおやです。今回は『腰椎椎間板ヘルニア』をめぐるストーリーをご紹介します。
Kさん(55歳・商社勤務)が初めてもとまち整体院の扉を開けたのは、整形外科でMRI検査を受けた翌週のことでした。
病院でドクターから
「椎間板ヘルニアです。保存療法でしばらく様子を見ますが、改善しなければ手術も選択肢に入ります」
そう告げられたとき、頭の中が真っ白になったと話してくれました。
手術、入院、リハビリ。仕事は?
部下への影響は?
家族への負担は?
考えれば考えるほど、不安の連鎖が止まらなかったそうです。
「でも、なんか……すぐに手術って言われても、納得できなくて」
その「納得できない」という感覚、私は正直だと思います。
腰椎椎間板ヘルニアの手術適応は、本来かなり限られています。
日本整形外科学会のガイドラインでも、「馬尾症候群(排尿・排便障害を伴う重篤な神経症状)」や「進行性の筋力低下」がない限り、まず保存療法が推奨されています。
痛みやしびれだけであれば、焦って手術台に乗る必要はないケースがほとんどです。
もちろん、担当の先生が「いずれ手術も」と言ったのは、最悪の場合に備えた説明であって、すぐに切りましょうという意味ではなかったかもしれません。
でも患者さんの側に立てば、「手術」という二文字が耳に残り続けるのは当然のことです。
Kさんはその後、ご自身でいろいろと調べ、「まず保存療法で試してみよう」という結論に至り、当院に来てくださいました。
その判断を、私は今でも正解だったと思っています。
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② 実際に何をして、どう変わっていったか
初回の施術の前に、私はKさんの話をじっくり聞きました。
痛みが強くなるのはいつか。
どんな姿勢がつらいか。
仕事の環境はどうか。
趣味は、睡眠は、ストレスの状況は。
MRIの画像は大切ですが、それだけでは「その人の腰痛」は見えてきません。
画像は体の一断面を切り取ったものに過ぎず、そこに映っているヘルニアが今の痛みの「すべての原因」とは限らないからです。
Kさんの場合、話を聞いていくうちに気になる点がいくつか浮かびました。
長時間のデスクワークで、骨盤が後ろに傾いた「骨盤後傾」の姿勢が習慣化していること。
お尻から太ももにかけての筋肉(大殿筋・ハムストリングス)が著しく硬くなっていること。
そして、腰の横からお尻にかけて、強く押すと「ズキン」と響く、いわゆるトリガーポイントがいくつも形成されていたこと。
トリガーポイントとは、筋肉の中にできる「過敏な結節(しこり)」のことです。
直接触ると飛び上がるような鋭い痛みがあり、さらに離れた場所——腰から足にかけて——に「関連痛」を引き起こすことがあります。この関連痛が、坐骨神経痛やヘルニアによる放散痛と非常によく似た症状を呈するため、しばしば混同されます。
施術ではこのトリガーポイントを中心に、手技でアプローチしました。
固まった筋膜をほぐし、血流を取り戻し、骨盤周りの筋肉バランスを整えていく作業です。
1回目の施術が終わった直後、Kさんはこう言いました。
「……あれ、なんか、足の重だるさが少し軽い気がする」
その感覚は本物でした。
3回目の施術の頃には、朝起きたときの腰の張りが明らかに減ったと報告してくれました。
5回目には、電車で立っていても足がしびれることがなくなっていました。
そして2ヶ月が経った頃——担当医に「だいぶ良くなりましたね」と言われ、手術の話は立ち消えになっていたそうです。
Kさんは今も、月に1〜2回、メンテナンスで通ってくださっています。
③ 「手術しない選択」をした人たちに、共通していたこと
Kさんのケースは、決して特別なものではありません。
当院にはこれまで、「手術を勧められたが踏み切れずに来た」という方が何人もいらっしゃいました。
年齢も職業もさまざまですが、その方たちに共通していたことがひとつあります。
それは、「自分の体のことを、自分で考えようとしていた」こと。
「先生がそう言うんだから、そうなんだろう」と思考を止めるのではなく、「本当にそれしかないのか」「今の自分に何が起きているのか」を知ろうとする姿勢。
これが、回復への最初の一歩だったと、私は何度も目の当たりにしてきました。
もちろん、手術が必要なケースは確かに存在します。
馬尾症候群のような深刻な神経障害や、保存療法を十分に試みても改善しない場合は、手術という選択肢が命綱になることもあります。私はそれを否定しません。
ただ、「画像にヘルニアが映っていた」「足にしびれがある」「痛みがひどい」、それだけの理由で手術を急ぐ必要は、多くの場合ありません。
以前のブログでもお伝えしたように、ヘルニアは自然に縮小・消失することが医学的に証明されており、保存療法の期間中に体の免疫細胞が飛び出した椎間板組織を吸収していくケースも多く報告されています。
体には、自分で治ろうとする力があります。
私の仕事は、その力を引き出すための環境を整えることです。
筋肉の緊張をほぐし、血流を回復させ、姿勢のクセを修正し、神経への余計な刺激を取り除く。
そのひとつひとつの積み重ねが、「手術しなくてよかった」という結果につながっていきます。
手術を勧められて、不安を抱えたまま検索してこの記事にたどり着いた方へ。
焦らなくていいです。
まず、私に話をお聞かせください。
※ 本記事はあくまで一般的な情報提供を目的としており、個別の医療判断を否定するものではありません。症状によっては速やかに医療機関を受診することが必要な場合があります。
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