「良い姿勢」を頑張るほど体はボロボロになる?22年の経験から伝えたい「動く体」の作り方

院長のおおやです。横浜市中区、石川町・元町周辺で「肩こりを治したくて、一生懸命背筋を伸ばしている」というあなたへ、お伝えしていきます。

「猫背にならないように」「胸を張って、シャキッと」 そう自分に言い聞かせて、毎日頑張っていませんか?もし、その努力を続けているのに肩こりが一向に良くならない、むしろどんどん体が固まっていると感じるなら、今すぐその「姿勢の常識」を疑ってみてください。

当院で21年以上の間、のべ数万人の方の体と向き合ってきましたが、実は「良い姿勢を意識しすぎている人」ほど、深刻な痛みを抱えているという皮肉な現実があります。

今回は、巷で言われる「理想の姿勢」という言葉の裏に隠された罠と、本当に私たちが目指すべき「動ける体」について、解剖学的な視点も含めて分かりやすくお話しします。

1. 「軍人姿勢」の罠と、静かに忍び寄る「廃用性萎縮」の恐怖

まず、最初にお伝えしたい衝撃の事実は、「この姿勢でいれば100点満点」という固定された姿勢は存在しないということです。

私たちが学校や部活動などで教わってきた「胸を張って背筋を伸ばす」姿勢。これを当院では「軍人姿勢」と呼んでいます(この記事のアイキャッチ画像のような姿勢、ですね)。

一見、規律正しく美しいように見えますが、解剖学的に見ると非常に不自然な状態です。人間の背骨は、重い頭を支えるために緩やかなS字カーブ(生理的湾曲)を描いていますが、「軍人姿勢」をキープしようとすると、この大切なクッションであるカーブを無理やり真っ直ぐに引き伸ばしてしまいます。

ここで、一つ重要な言葉をお伝えしますね。それは「廃用性萎縮(はいようせいいしゅく)」というワードです。

これは簡単に言うと、「体は使っていかなければ、その機能を失い、衰えていく」という法則です。 例えば、怪我でギプス固定をした腕を想像してみてください。数週間後、ギプスを外すと腕は細くなり、関節はガチガチに固まって動かなくなっていますよね?これが廃用性萎縮というものです。

実は、あなたが「軍人姿勢」を維持しようと体を固めている時、使われていない筋肉や、同じ角度で固定された関節には、この廃用性萎縮と同じような現象がリアルタイムで起きています。動かさないことで血流が滞り、筋肉は弾力を失い、まるで錆びついた機械のように劣化していくのです。

「体は止まると死んでしまう」。 これは決して大げさな表現ではありません。生命の本質は「循環」であり、循環を生み出すのは「動き」です。

どれだけ「見た目が良い姿勢」「良過ぎる姿勢」であっても、それが固定されたものであれば、あなたの体は内側から少しずつ、その若々しさと柔軟性を失っていくのです。

2. 筋肉・関節・使い方の「三位一体」が崩れると、痛みは繰り返される

私は、肩こりや痛みの解消には「筋肉」「関節」「身体の使い方(姿勢・動作)」の3点が同時に整っていることが不可欠だと考えています。

これを当院では「三位一体」の考え方と呼んでいます。

  • 筋肉: 柔軟性があり、必要な時にしっかり伸び縮みできること。

  • 関節: 本来の可動域を保ち、スムーズに動くこと。

  • 身体の使い方: 特定の場所に負担を集中させない、無駄のない動き。

例えば、どれだけマッサージで筋肉をほぐしても、関節の動きが悪いままでは、動くたびに筋肉が無理に引っ張られてすぐに硬くなります。

また、筋肉と関節が整っていても、日常生活で常に「軍人姿勢」を意識し、特定の筋肉に力を入れ続けていれば、またすぐに筋肉に過度なストレスがかかります。

ここで勘違いしてはいけないのが、「理想的な姿勢」の捉え方です。 「理想的な姿勢」とは、彫刻のように美しく静止した形のことではありません。「次にどの方向へもすぐに動き出せる、無駄な力が入っていないニュートラルな状態」こそが、本当に目指すべき姿です。

たとえ世間一般で「良い姿勢」と言われる形であっても、それが10分、20分と続けば、使われ続けている筋肉は疲労し、血行不良を起こします。

実際、私たちは眠っている時ですら、一晩に20回から30回は「寝返り」を打ちます。これは、無意識のうちに体重による圧迫を分散させ、血の巡りが滞らないように体が自らを守っているからです。

もし、一晩中「正しい姿勢」のまま微動だにせず寝ていたら、翌朝は身体じゅうのあちこちが地獄のような痛みで目が覚めるでしょう。

動かさないことが一番の毒であり、どんなに良い姿勢も「動かない」時間が長ければ、それは筋肉の中に「トリガーポイント(痛みの引き金点)」という硬いしこりを作るリスクを高めてしまうのです。

3. 「ビーフジャーキー」を伸ばしていませんか?硬い筋肉へのストレッチが危険な理由

「肩がこっているから、頑張ってストレッチをして伸ばさなきゃ」 そう思って、お風呂上がりにグイグイと痛みをこらえながら筋肉を伸ばしていませんか?もしあなたの筋肉がすでにガチガチに硬くなっているなら、そのストレッチは今すぐ中止してください。

硬くなった筋肉と筋膜の状態を例えるなら、それは「ビーフジャーキー」です。

想像してみてください。乾燥してカチカチになった(縮こまった筋肉である)ビーフジャーキーを、両端から力いっぱい引っ張ったらどうなるでしょうか?

しなやかに伸びるどころか、ピキッと亀裂が入ったり、一番負荷がかかる端っこの部分(筋肉が骨に付着している部分)がベリッと剥がれるように傷ついてしまうかもしれません。

今のあなたの筋肉も、これと同じ状態かもしれません。 筋筋膜が硬く癒着し、トリガーポイントができている状態で無理に引き伸ばそうとするのは、単に組織を傷めているだけなのです。

痛みを感じることで脳は「これ以上伸ばされたら危ない!」と判断し、守ろうとしてさらに筋肉を硬くする「防御性収縮」を引き起こします。これでは、良くなるどころか、ストレッチをするたびに体が硬くなってしまいます。

では、どうすればいいのか。

そこで重要になるのが、もとまち整体院が専門とする「トリガーポイント療法」です。

これは、単に表面を揉みほぐすマッサージとは違います。痛みの根本原因となっている「引き金点」をピンポイントで見極め、的確な刺激を与えることで、硬くロックされた「ビーフジャーキー状態」の筋肉を、内側からジワーッと「生の肉」のような弾力のある状態へと戻していく手法です。

  1. 緩める: まずはトリガーポイントを解除し、筋肉が本来の弾力性を取り戻せる状態にします。

  2. 整える: 筋肉が緩むことで、圧迫されていた関節の動きもスムーズになり、可動域が広がります。

  3. 変える: 体が動かしやすくなった状態で、初めて「無駄な力が入らない、本当の意味で楽な身体の使い方」を身につけていきます。「伸ばす」前に、まずは「緩めて動ける状態にする」。この順番を間違えないことが、数十年の肩こりから解放されるための最短ルートです。

 


今のあなたに必要なのは、これ以上「軍人姿勢」を頑張ることでも、無理なストレッチで自分を追い込むことでもありません。

まずは、これまでの頑張りでガチガチになった体のスイッチを、一度「オフ」にしてあげることです。

横浜・元町石川町で、長年の痛みや重だるさに悩んでいるなら、ぜひ一度ご相談ください。

あなたの体の「三位一体」を整え、呼吸をするのが楽になるような、本当の脱力と「動ける喜び」を一緒に取り戻していきましょう。

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※施術効果には個人差があります。

※画像はイメージです。