【五十肩について】温めるのか、冷やすのか?
今日は五十肩のワンポイントについて、解説いたします。表題の『温めるのか、冷やすのか?』ですが、五十肩の場合は、今が発症後のどの時期に当たるのかの区分が、大事です。
五十肩には3つの『期』があるといわれています。五十肩のケースで患部を温めるか、冷やすのかは、この時期の区分と関係しています。
3つの『期』とは一般に、①痙縮期(当初の約3ヶ月)、②拘縮期(続く約6ヶ月)、③回復期(続く3ヶ月以降の時期)に分けられます。
①痙縮期(Freezing phase)は、五十肩の出始めの時期で、痛みによって自動(=自分から動く)運動が制限されます。
②の拘縮期(Frozen phase)では、肩関節周辺の筋筋膜が萎縮(=廃用性萎縮)しやすくなり、他動的な肩関節の動きも、大きく制限されます。関節そのものの可動性の低下もみられます。
急性期ともいえる①の痙縮期では、激しい痛みが出てきたり、じっとしていても痛い(=安静時痛)ことがあり、こうしたときには冷やしたり、安静にしているのが良いでしょう。
②の拘縮期では、慢性期としての痛みがありますが、他動的に動かしても痛い。ですが、この時期においては、筋肉に柔軟性を担保しつつ(←当院のトリガーポイントセラピー等で)、少しずつでも、動きをつけていくほうが良いのです。
当院でお教えする各種の体操やストレッチも、可能な範囲で積極的に行なっていただきたいものです。
スムーズに動かすためにも、この②の時期は一般的には『温める』(少なくとも、冷やさないように気をつける)ことが大切です。温めつつ動かすことで、滑液も出て、栄養分や酸素の補給にもつながります。
『温める』方法はいろいろあります。お風呂に十分浸かる、熱めのシャワーを首や肩にかける、就寝時にもハイネックとまで行かなくとも、首肩の露出の少ない格好で寝る、肌着のうえから温カイロを貼って出かける、等々。当院内では、いろいろな具体例もお話ししていきます。
そして最後の『③回復期』は、そのままでも徐々に自然回復していく時期。
ですが、ここでもトリガーポイントの解除とストレッチを継続することで、その期間を短縮していくことも期待できます。ご参考にどうぞ。
※施術効果には個人差があります。
更新